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アルゴノートが潰れかけている

元々のスーファミ版スターフォックスなどFXチップを作った会社、アルゴノートソフトウェア(Argonaut Software)が潰れかけています。先々週今年の利益レポートで12億円の赤字を発表し、まず社員を半分首にしたそうです。イギリスのもっとも大きな独立したゲームスタジオでした。

去年も20億円の赤字を発表していたが、その時現金で10億円ぐらい残っていたので一応セーフでした。今回の赤字でその現金を超えてしまったようです。スタジオが4つに別かれたので、まず三つが突然倒産、全員雇用止め。最後の1つのメインのロンドンのスタジオでは70人ぐらいが「来週来なくてもいい」と言われています。残りは50~70人ぐらいだと思います。

アルゴノートのミニ歴史:

■ 8ビットのコンピュータでStargliderを作りヨーロッパでかなりヒットしました。8ビットの3Dゲームですので、感動的でした

■ ゲームボーイとファミコンで3Dエンジンを開発してて、それを見た任天堂からまだ出ていないスーパーファミコンの為に3Dチップの開発をお願いされました。「X」というゲームボーイでの初3Dタイトルを開発してから、FXチップを利用するスターフォックスを開発し始めました

■ 任天堂のディレクションと、アルゴノートの技術でスターフォックスが大ヒットになりました(3~400万本)

■ Wild Traxとスターフォックス2(未発売)も任天堂と協力して開発しました

■ プレイステーション時代に、「Croc 3D」というマリオ64みたいな3Dローミング・プラットフォームゲームを開発して、大米で大ヒット(1~200万本)

■ ハリーポッターのライセンスでプレイステーション版を作って、これも大ヒットです(800万本)

■ 会社の株を公開した(98年)、社長のJez Sanがいきなりリッチ・リストに登場(イギリスの金持ちTOP100人)

■ アルゴノートの社長がイギリスのクイーンからOBEを貰いました(サー・Jez San)

■ 公開した出資で他のゲームスタジオを何個も購入

■ 中々いいゲームを作れずに、株の値段が大下がり(2002年〜)

■ Catwomanという映画のライセンスでゲームを作り始めて、ロンドンのスタジオの全員ぐらいを参加させて開発を行ったらしい。かなり短期間で出来上がり

■ 映画の方が大失敗で(かなり最悪らしい)、そのせいでゲームも全く売れませんでした。

■ 小さい契約が2つぐらいできたけど大きい契約が無理そうだったので、4分の3の社員が帰らされた状態

始めはアルゴノートは技術に拘ったんだけど、8年ぐらい前からライセンスに集中してしまったようですね。技術を集中していた時代の方が格好よかっただけに残念です。

もっと詳しい情報が入ってきたらレスを書きます。